写真の白板には:
1. I am a member of a chorus team at my school.
と書かれています。日本語では、さしづめ「私は学校のコーラス部の部員です」と云うところでしょう。
或る教材に:
I belong to the chorus club of my school. と云う文章を見つけました。このような文意では belong to は用いず am a member of とし、また、話相手はコーラス部のことを知らないでしょうから、冠詞はtheではなくa を用い、さらに clubは team とすべきところでしょう。of は at としますと:
1. I am a member of a chorus team at my school.
となります。私はABC Univ. の学生です、は:
2. I am a student at ABC Univ. です。
3. He belongs to the Democratic Party. (彼は民主党員です)の the と belong については、とても分かり易いように思います。彼は、唯一無二の民主党、the Democratic Party に 属しているのです。
ここで私の好きなスタンダーズの一つ「You belong to me」(Jo Stafford の歌唱がとても素敵です)の一番の歌詞を挙げます:
YOU BELONG TO ME
See the Pyramids along the Nile
And watch the sunrise on a tropic isle
But just remember darling all the while
You belong to me
See the market place in old Algiers
And send me photographs and souvenirs
Just remember when a dream appears
You belong to me
歌詞の三行目と四行目で:
「But just remember darling all the while
You belong to me」
(ダーリン、でも、いつだって 「あなたは私のもの」 ってことを忘れちゃだめよ)と歌っています。belong とはこのような意味合いの動詞です。
日本語人は、転職先を探しながらも 「うちの会社はいま調子悪いんだよ」 とか平気でいいます。一体どこが 「うちの会社」 なのか。日本語人は、とにかく 「うちの」 が大好きなのです。うちの旦那、うちの学校、うちの会社、うちの子とか。「うちの家は三階建てです」 はどうでしょうか。
日本語人にはどうやら、何でもかんでも 「うちの」、 何でもかんでも 「帰属意識」 みたいなところが元々あって、どうやら、この感覚を英語に持ち込み、何でもかんでも belong としているように思えてなりません。母語の外国語に対する影響についてはよく言われることですが、この場合は 「母語を巡る意識の外国語に対する影響・歪み」 の様に思います。
この板書きは、BEWA(ビジネス英語ライティングアカデミー)の 「大人の為のやり直し英語講座」 で belong の説明等の為に用いられました。