『 お送りする商品はサンプルとは多少色が異なることがあることにご留意ください 』 を英語にすると、どのようなものになるでしょうか:
Please note that the goods to be sent may slightly differ in color from the sample.
とっても素敵な英語ですよね。これがビジネス英語の世界です。
ここで「お送りする商品はサンプルとは多少色が異なることがあることにご留意ください」を学校英語(大学入試英語)で書きますと:
The color of the goods that will be sent to you may be a little different from that of the sample.
と云うところでしょうか。ところで:
Please note that the goods to be sent may slightly differ in color from the sample.
のgoods to be sent のto be sentは、何故to be sent である必要があるのでしょうか。
to be sent からto beを外してsent to youとし:
Please note that the goods sent to you may slightly differ in color from the sample.
でも良さそうにみえます(sent to you としたのは文体を整えるためで、重要なのはsentとto be sentの違いです)。to be sent とする理由は:
Please note that the goods to be sent may slightly differ in color from the sample.
とすれば、元の形は:
Please note that the goods that are to be sent may slightly differ in color from the sample. と理解されることになります。しかし、ここでto be sent をsent to youに替えると元の形が:
Please note that the goods that were sent to you may slightly differ in color from the sample.
として理解される蓋然性が高く、そのばあい、「お送りする商品」ではなくて、「お送りした商品」の意味となり、ビジネスで伝えたい真意と異なってしまうこととなります。
文章の意味とは、書き手(Writer)が意図した内容(伝えたい意味)ではなくて、読み手(Reader)が理解した内容(伝わった意味)となることを常に注意する必要があります。英語人(英語を母語とする人の意味)の文章を模倣するにしても、英文(英文法)の基本的理解を欠くとたいへん危険です。詳しくは著書「ビジネス英語の真髄」をご覧ください。
さらに、may slightly differ に現れる如きmay を、学校英語よろしく「かもしれない」と訳すと、ビジネスの現場では多くの場合、見当違いな訳文となります。
Please note that the goods to be sent may slightly differ in color from the sample.
の意味は「お送りする商品はサンプルとは多少色が異なることがあることにご留意くださいであって、「お送りする商品はサンプルとは多少色が異なるかもしれないことにご留意ください」ではありません。
このように、mayはpossibilityを表す一方、canはabilityを表します。ですから、ビジネス英語に現れるmay は「あり得る」辺りが適当な和訳で、同様に、契約書に現れるmayは「出来る」が適当な和訳と考えられます。因みに契約書にはcanは用いられずmayが用いられますが、それも契約書の目的を考えれば理解できそうです。契約書の目的は、契約者双方の権利義務を規定することに在りますから、双方の能力の有無 (can) ではなく、契約事項に係る諸々の行為の可否を表すmayが使われることとなります。
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