BEWA講師ブログ

我が家のブロック塀のど根性雪柳

道草を食う

  その昔、少年雑誌で赤塚不二夫氏の「天才バカボン」を読んでいたところ、「道草を食って下痢をしたのだ」とのギャグがあって、とても感激したことを覚えています。普通、思いつくようなことでは御座いません。赤塚さんは天才です。その場面の絵も何となく覚えております。道端に下痢をした(している)バカボンパパがしょんぼり立っていました(パパのほうだったと思います)。確かそこに「道草を食って下痢をしたのだ」と書かれておりました。

  ある外商に勤務していた頃、学生時代に熱帯魚屋さんでアルバイトしていたと云う同僚がいて、その同僚から「あるとき赤塚不二夫さんの家に砂を沢山運んだ」と聞きました。赤塚さんは砂を風呂場に運ばせたそうで「スタッフと一緒に風呂場で潮干狩りごっこをして遊ぶ」とか、言っていたとのことでした。  

  昔、確か東京12チャンネルだったと思うのですが(定かではありません)、赤塚不二夫さんが一人で、裸でひたすら踊り狂っている番組を見たことがあります(30分ものだったでしょうか?)。腰にパンツか何かを一枚だけまとい、点滅する七色の照明の中を、赤塚さんが一人で手を上げて踊りまわり、その上から久寿玉が割れて裸の赤塚さんに原色の紙片とか紙テープとかが舞い落ちるという奇天烈で凄いものでした。泥酔の中でみた夢の世界を実現したかったのかもしれません。

  私もそのあと何度か踊り狂う赤塚さんの夢を見たように思います(今晩も見るかもしれません)。 タイトルは「赤塚不二夫の~の世界」だったような気がしますが定かではありません。何しろ、むかし、むかしのことです。その番組には妙に感動してしまいました。私もたくさん、たくさん、道草をくいながら生きてきましたが、本当に道草を食べたことは御座いません。我が家のブロック塀とアスファルト道路のさかいの、ごく僅かな土に根付いたこの雪柳も、サラダとなることは多分ないでしょう。

2011/04/20 エッセイ、他   林 行雄

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