既にお話しましたように、私は本年3月(2011年3月)まで早大文学部教育学コースに在籍しておりました。その関係で、学校給食について調べることが必要となり、BEWA(ビジネス英語ライティングアカデミー)開設当初、受講生さんに、給食に関するアンケートのご協力をお願いし40通の回答を頂きました。ご協力頂き大変感謝しております。以来、多くの受講生さんより結果についてご質問等もあり、今回、集計結果についてお話しようと思います。このブログで、“なんで給食”、とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、結構面白いかもしれません。何でも、食べてみなければ分かりません?
回答者:40名:平均誕生年1975年
1)給食で 好きだったメニューと嫌いだったメニューについて
好きだったメニュー
・カレー(10名)
・揚げパン(8名)、きなこ揚げパン(2名)
・ソフト麺(5名)
・スパゲッテイ(4名)、ラーメン
・ハンバーグ
・クリームシチュー
・鳥のから揚げアーモンドチップ和え、豚肉のしょうが焼き、かやくご飯
・焼そば、自分で作る手巻き寿司
・グラタン
・フルーツヨーグルト
・わかめご飯
・サバの味噌煮
・サンドイッチ
・コーヒーロール
・クロワッサン
・ミルメーク(牛乳に溶かす粉末:コーヒー牛乳のようになる)
・オレンジジュース、冷凍みかん
・クリスマスのときのローストチキン、ケーキ
・ひな祭り等イベントの際のメニュー(ちらし寿司、蛤澄汁、雛あられ)
嫌いだったメニュー
・(生ぬるい)牛乳(5名)、ヨーグルト
・揚げパンと一緒に出たフルーツヨーグルト(肉の脂の塊が良く混入)
・鯨肉の甘辛揚げ
・鯨のオーロラ煮(鯨の肉を甘いケチャップで炒めたもの。おわん一杯に盛られて
いる)
・サバの蒲焼
・レバー
・きゅうりの浅漬け
・うぐいすパン)、きなこパン、ぶどうパン
・大豆の煮物、煮物
・冷えて固まった麺類(冷え固まった麺に少しの汁やソースをかけて食する)
・ゆで卵、ピザトースト
・ミックスベジタブル(コーン、人参、グリーンピース)
・グリーンピースご飯
・わかめともやしの酢の物、きゅうりと竹輪のカレー炒め、等、良く分らない組み
合わせの和え物や炒め物
・プリン
・デザートとして出た丸ごと一個の大きなトマト
・冷凍みかん
2)給食は必要と考えるか?
一名を除き、全員が給食は必要との回答。
給食が必要な理由:
・都市部では給食がなければファーストフード中心の昼食となりそう
・子供の栄養バランス。親の負担軽減
・楽しい時間・場の共有
・配膳、給食委員の低学年への援助等。集団活動への配慮等
・給食は皆で同じものを配膳して同じ部屋で食べ、片付ける。付け焼刃のキャリア
教育よりも遙かに効果的と思う、等。
3) 給食に対する今後の要望
・食材の姿や調理方法を見学し食に纏わる子供の意識を深める
・食の大切さと食文化を学べるようにする
・食物アレルギーに対する対応
・食事のマナーを学ばせる(猫背、肘をつく、足を組む、等々)
・食べ合わせや見た目に注意した献立の提供
・季節を感じられるメニュー
・子供達にも何らかの選択肢を提供してほしい(飲み物、パン、ご飯等)
4)ご飯について
ご飯を提供することについては、全員が賛成している。給食にご飯がでた頻度は週1~2
回が多く、週の半分程度というのもあった。秋田県横手市横手南中学校では炊いた地元米
が(あきたこまち)だけがセンターから毎日運ばれ(他は自校式)、赤いプラスチックの
弁当箱に一人分ずつほかほかの状態で入っておりとても美味しかったとのお話や、
http://yokotenanchu.blog48.fc2.com/blog-date-201003.html
地産の米を用いていたためにとても美味しかった(富山県新川郡入善町)とのお話もありまた。ご飯推奨の理由としては、箸の使い方を覚える、パンだけだと飽きる等がありました。しかし、「ご飯と牛乳の取り合わせには納得が行かない」との誠にごもっともなご意見、「給食では古米を食べたので美味しくなかった。美味しいご飯であれば給食にだしたほうが良い。不味いご飯だと残してしまい、食料問題や躾の麺で問題になるのではないか」とのご意見もありました。給食は不必要とのご回答は一名のみでしたが、その理由は給食費不納の人がクラスに数名あった為とのことでした。しかし、その方も「給食は皆と食べのるが楽しく好きであった」、ご飯も「出るほうが良い」とお答えです。
5)解答例に見る理想の給食、最悪の給食:
理想の給食
カレー(ご飯は地産のアキタコマチ)、揚げパン、オレンジジュース
最悪の給食:
鯨のオーロラ煮、グリーンピースご飯、ぬるい牛乳
まとめ
回答を頂いた40名の内、一名を除き全員が給食は必要と考え、31名が給食は「好きであった」と答えています。また、給食を嫌った方達も「親の立場を考えれば給食は必要」との回答を頂きました。ここで、給食を嫌った方たちにほぼ共通する理由として、体調、病弱等に対する配慮を欠いた完食の強要があったことを付記致します。
今回のアンケートの結果から考えますと、給食は既に日本の文化の一部となっていて、最早、学校給食制度そのものの是非を問うのではなく、その在り様の改善が課題との印象を受けました。
ご飯と牛乳の取り合わせの具合の悪さや、又、わかめともやしの酢の物、きゅうりと竹輪のカレー炒め等、アンケートで指摘された「良く分らない組み合わせの和え物や炒め物」等に対する批判が存在する一方、秋田の中学校でのアキタコマチの給食には微笑ましいものがあります。
アレルギー、国際性への対応、或いは、米、地産品の提供、食の季節性、食文化の継承、安全性、等、様々な問題が指摘されました。「私の時代は躾の意味もあり全員完食などの指示があったものの、現在は給食を通じて躾を行う雰囲気はなく、給食費を無償にするようなことになれば、どうせタダだからまずいものは残したっていいと思う人も増える筈」とのご意見もありました。
しかし、学校給食は既にこの国の文化の一部となっているように思われます。その発展を望みながら、私個人としては、学校給食は無償化すべきものであろうと考えています。
(注:上記ブログは2011年5月にUPされ、数ヶ月前に本ウエブに移転すべきであったものです。)