「大人の為のやり直し英語講座」 の講義中、ある生徒さんが:
1) I believe him honest. を:
S V O C
③ 「私は彼が正直であると信じる」 と訳しました。
ここで 「彼が」 の 「が」 は格助詞で主格を表します。1)の英文は:
① 「私は彼を正直と信じる」であって、③「私は彼が正直であると信じる」ではありません。
「彼を」 の 「を」 は対格を表します。
③ の 「私は彼が正直であると信じる」 に該当する英文は:
3) I believe that he is honest.
S V O
であり、その和訳は正確には、「私は彼が正直であると信じる」 ではなくて、「私は彼が正直であることを信じる」 です。そして:
1) I believe him honest. は、
S V O C
① 「私は彼を正直と信じる」
2) I believe him to be honest. 或いは、
S V O C
② 「私は彼を正直であると信じる」
3) I believe that he is honest. 等の類似の表現も可能です。
S V O
③ 「私は彼が正直であることを信じる」
それら各々の和訳:
① 「私は彼を正直と信じる
② 「私は彼を正直であると信じる」
③ 「私は彼が正直であることを信じる」
これら三つの和文になんら違いはない、と思われる方は極々まれでしょう。①~③に移るに従い 「彼」 に対する疑念が深まってゆくことも自明と思われますが、如何でしょうか。
1)~3)の英文も当然にして意味するところが異なり、異なるがゆえに三つの表現が存在することも、自明でしょう。ある段階で、これら三つの英文の構文上の違いが、可能な限り明示的に示される必要があります。そうでないと、外国語に対する誤った母語認識・母語干渉が、外国語学習に深刻な影響を与えることになりかねません。真剣な英語学習が入試等に限定される場合、この影響は顕著で、そのままに其処から抜け出すことは困難と思われます。
少し発展して:
4) I think the project feasible.
④ 「私は当該プロジェクトを実行可能と思う」
5) I think the project to be feasible.
⑤ 「私は当該プロジェクトを実行可能であると思う」
6) I think that the project is feasible.
⑥ 「私は当該プロジェクトが実行可能であるものと(ことを)思う」
④~⑥を、全く同じと感じる方は極々稀でしょう。
1)~3)或いは4)~6)の表現が、現実には:
・I think he is honest.
・I think the project is feasible.
等に収斂するであろうことは、また、別のお話でしょう。
初学者こそ直訳が必要です。それも可能な限り、英文をひっくり返さずに其のまま直訳することが、母語干渉を避ける意味で、また、論理を構築する文章構造上の差異を認識する意味で、或る一定の時期まで必須と考えます。
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