BEWA講師ブログ

それは云われたくない

1月8日に「英語で用が足せた:I could make myself understood in English」についてお話し、1月19日に、「雑踏の中で私の声が届かなかった:I couldn’t make myself heard in the crowd.」 についてお話しました。今日は:
  I don’t want it said.
  「それは云われたくない」
についてお話しようと思います。

これも:
  I don’t want it said.
  S  V   O C
と、SVOC 文型の構文ですが、ここの OC のところの 「 it said 」 が 「 it is said 」 を意味しています。従って:

  I don’t want it said. の意味は:

 「私はそれが云われることを欲しない」 となります。ですので:

      ↓

 「それは云われたくない」
となります。

  言語とは極めて数学的なもの或いは論理学的なものです。
訳も分からずしゃにむに覚えても直ぐ忘れてしまいます。又、そのように指導することには大いなる害すらあります。更に、ここで敢えて日本語の 「それは云われたくない」 の主語は?と問えば、それは一体何なのでしょうか。英文、I don’t want it said の主語 「I 」 は、一体、日本語訳 「それは云われたくない」 のどこに消えて行ってしまったのでしょう。 ブログで何度も書きましたが、日本語には主語なるものは元々存在致しません。そして、こんなことは、日本語学では常識の一つです。「私は」 の 「は」 は係助詞であって、「私に関しては」 の意味です。元々主語の存在しない日本語を、主語が在るものとして語っている内に、そう語る者も、そう聞く者も共に訳が分からなくなってしまった。其処に只管芸の無いダイレクトメソッドなるものやら、逞しい商業主義やらが食らいつき、「やれ話せ」 だの 「只聞け」 だの、そうのこうのするうちに 「英語は勉強するな!!」 とか・・・ いったい、いつから、こんなことになってしまったのでしょうか。
  脳そのものを構成する母語:日本語と外国語:英語との関係を抜きにして、取引に係る高度な英語を有意に用いることは到底不可能でしょう。例えば、英文国際契約とその日本語訳とは同様に大切なものでしょう。そして、それらは意味的に且つ法的に等価的でなければなりません。そして、こんなことは、国際契約の現場では当然すぎるほど当然のことでしょう。


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2012/01/27 英語一般   林 行雄

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