11月25日:
「その昔、私が学校を出た頃、ビジネス英語 (当時は商業英語と呼ばれていました) の本には、普通、次の三つの英文が 「弊社カタログを同封致します」 の三通りの英訳文として、其のままに掲載されておりました。単に「弊社カタログを同封致します」 の三通りの英訳文としてです。今も、同様な頁があれば、同じかもしれません:
1) Enclosed please find our catalog.
2) Please find enclosed our catalog.
3) Enclosed is our catalog.
言語学的に考えて、全く同じ意味を伝える別の文体は存在しません。
さて、これら三つの英文は、本当に全く同じ意味を伝えるものなのでしょうか。
考えてみましょう。
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そして11月29日には:
1) Enclosed please find our catalog.
この文章は:
4) Being enclosed, please find our catalog.
↓
1) Enclosed please find our catalog.
即ち 1)は分詞構文とその省略により発生した英文と考えられ、その訳文は:
「弊社カタログを同封致します」 ではなくて:
↓
「同封されておりますので、弊社カタログをご覧ください」 となることをお話しました。
12月8日、本日は:
2) Please find enclosed our catalog.
についてお話しようと思います。
この文章は:
5) Please find our catalog which is enclosed
↓
2) Please find enclosed our catalog.
と考えられます。
即ち:
5) Please find our catalog which is enclosed
より、関係代名詞とbe動詞を省き:
6) Please find our catalog enclosed
とし、名詞句 our catalog の前に enclosed を移動したもの、 即ち:
5) Please find our catalog which is enclosed
↓
6) Please find our catalog enclosed.
↓
2) Pleased find enclosed our catalog.
と考えられます。ですから、訳文は:
「弊社カタログを同封致します」 ではなくて:
↓
「同封されている弊社カタログをご覧ください」 となります。
このような違いは、所謂 「ニュアンスの違い」 などと云うようなものではなく、文章構造の相違に基づく意味上の違いです。意訳と称し、「訳も分からず意味を丸めてしまう」 風潮の中にあって、本当に恐ろしいことは:
1) Enclosed please find our catalog.
2) Please find enclosed our catalog.
3) Enclosed is our catalog.
等の文章を訳も分からず 「同じもの」 と考えるような、短絡した思考・発想から生じる、文章表現上・取引(商談) 上の重大な齟齬・誤謬です。訳・理由・根拠も分からず、英語人の文章を真似ることほど危険なことは御座いません。表現上の微細な差が、大きな意味上の違いを生じることは、日本語の場合と同様に、ごく普通に起こり得ます。
さて次は、 3) の文章:
3) Enclosed is our catalog.
は何故:
3) Enclosed is our catalog.
なる文章構造をもっているのでしょうか。また、その意味は1)及び2)の他の二つの文章と、どう異なるのでしょうか。考えてみましょう。
メールの文章は、そのまま取引相手先の PC に残ります。訳も分からず、英文を作成しメールすることは、非常に危険な行為と云わざるを得ません。ビジネス英語とは商売用の言語。その意味で、日本のお客様にお送りする和文のビジネスメールとなんら変わるところは御座いません。英文メールの誤謬により、取引上の齟齬・錯誤が生じ取引先に損害を与えた場合、原因 (錯誤の原因となったメール) は追究するまでもなく、相手方の PC に保存されております。社名を以て通信しているのですから、表見代理など唱えるまでも無いでしょう。会社人生は瞬時にして終わるかもしれません。 BEWAでキッチリした英文、本物のビジネス英語を学びましょう。講座見学 (一回無償) に御出で下さい。