三河雲龍と猫の置時計
赤い一重の花弁、花弁が開きかけたときの美しさは当に息をのむほど。25年ほど前に高さ一メートル半程度の苗木を購入して庭に植えましたが、その後、一メートルほど伸びただけです。枝も細く弱く、著しく成長の遅い椿です。雲龍と名付けられているのは枝がくねくね曲がっているからでしょう。秋の山にしても、成長の遅い弱い椿で、気をつけていないとすぐ虫がつきます。
茶人は弱い木に咲く椿に、儚くも凄絶な美しさを看たようです。真紅の三河雲龍の息をのむほどの美しさも、そうはもたないのですが、そこがまた好まれたのでしょう。写真の一輪挿しも、写真を撮る少し前は、花弁がもっと閉じていてずっと鮮烈でした。
木製の置時計は、日本橋丸善がビルを建てなおす直前のセールで購入したものです。猫ちゃの振り子が気にいって求めました。我が家には黒猫が居てユリちゃんと云います。歌手、大津美子さんの「黒百合の歌」 ♪黒百合は恋の花♪ から名づけました。