昨日:
The goods on our P/O No. 134 of Feb 23 damaged in transit to Narita will be sent back to you all charges collect by AA157 leaving Narita at 16:00 on Mar 1 and reaching JFK at 15:30 on Mar 1, which please understand.
「成田への運送中に損傷した2月23日付け弊社発注書No.134記載の商品は、航空運賃等全額御社負担にて、成田空港を3月1日午後4時に離陸し、JFK空港に同日午後3時半に到着するAA157 便にて御社宛てに返品されます。本件ご了承の程お願い申し上げます」
の英訳例を挙げ、「ビジネス英語は、関係代名詞およびbe動詞の省略、過去分詞(受動態分詞)、現在分詞(能動態分詞)の効果的使用等により構成されており、其処に簡潔なビジネス文章作成の鍵があります」とお話しました。今日はこの文章の構造について触れたいと思います。この文章の本来の形は:
The goods on our P/O No. 134 of Feb 23 (which were ) damaged in transit to Narita will be sent back to you (on the basis of) all charges collect by AA-157 (which is) leaving Narita at 16:00 on Mar 1 and (is) reaching JFK at 15:30 on Mar 1, which please understand.
であろうことが考えられます。ここで:
① (which were) damaged in transit について、他の可能性を探れば、
一般的には:
② (which are) damaged in transit
③ (which have been) damaged in transit
が考えられます。更には:(which had been) damaged in transit も前後の文章によっては不可能とは言えません。
②はその能動態を含み現状に重きをおく状態表現であり、③は其の能動態も含み現在の影響に重きを置く状態表現で、全て意味合いが異なります。
ところで此処では、①の能動態、即ちsome (unidentified) man (men) damaged in transit だけが過去の動作を表す動作表現と言えます。
言語には、御気楽な 「ニュアンス云々」 などと云うようなものは、もともと存在する筈もなく、其処には論理の糸で紡ぎだされた宇宙とでも呼ぶべき、図り知れない論理世界が拡がっているのみでしょう。また「宇宙」も、言語からなる抽象概念であって、「宇宙」なる言語を通してのみ、「宇宙」なる抽象世界を垣間見、類推することもできます。
ところで、貿易の現況を考えれば、貨物の破損の原因は運送上の人為的ミスによるものが殆どでしょう。更に、本件を通信するとき、貨物を破損させた当事者等、分明ではないでしょう。ですから、省略せずに文章を全て表すとすれば、状態と原因とを即時的に表す ① (which were) damaged in transit を選ぶこととなるでしょう。此処で、何故このように、話が面倒になるのかと云えば:
① which were damaged in transit
② which are damaged in transit
③ which have been damaged in transit
と全ての文章を表そうとするからでしょう。ですから、効率的に意味を伝えるには:
The goods on our P/O No. 134 of Feb 23 damaged in transit to Narita ~ のように、関係代名詞とbe 動詞等を省略し:
The goods on our P/O No. 134 of Feb 23 damaged in transit to Narita will be sent back to you all charges collect by AA-157 leaving Narita at 16:00 on Mar 1 and reaching JFK at 15:30 on Mar 1, which please understand.
と現すこととなります。その言語が用いられる社会の文化・慣習を踏まえて省略された文章は、その社会で適切に類推されることとなります。文章のどの一部が変わっても、その意味合いは当然にして変化し、また、徒に長い文章は、その読者に違和感を与えるだけでなく、要らぬ類推を誘う原因にもなりかねません。長い文章には、それなりの意図があって然るべきだからです。大抵の場合、言い訳とは長いものでしょう。簡潔・正確にして読む人に好感を与え、且つ、美しい文章こそ良き文章と云えるものでしょう。
これまでお話してまいりましたが、関係代名詞と受動態の実践的・本質的理解がビジネス英語修得の鍵となります。BEWA ではビジネス英語スタート講座(ビジネス英語の真髄:テキスト副本)より、それら事項を懇切丁寧に御指導しております。