昨日:
1)He is the man that you met at the party.
2)He is a man that you didn’t meet at the party.
についてお話いたしました。
ごく簡単に云えば、a は聴き手が知らないこと(知悉していないこと)、the は聴き手が知っていること(知悉していること)を表します。また、1)の the は one and only、2)の a は one of manyです。
私が中学生の頃、This is a pen. の表現を何度か聞いた覚えがあります。
当時、所謂、パタンプラクティスが盛んだったこともあり、この文章は:
1)This is a pen.
2)Is this a pen?
3)This is not a pen.
4)Isn’t this a pen?
の如く続き、そのままRepeat after me! となるのですが、a pen は a window となったり an apple となったり、突然 a が the となったりもします。ここで、1)~4)の訳例を挙げれば:
1)これは貴方の知らないペンです?
2)これは貴方の知らないペンですか?
3)これは貴方の知らないペンではありません。
4)これは貴方の知らないペンではありませんか?
となります。「未知のペン」のお話ですから、ペンのキャップを開けると中から鳩が飛び出すとか、そういう世界のお話となるでしょう。
This is a pen (that) you don’t know.
This is the pen (which) I told you about.
とすれば理解し易くなります。
ここで母語(日本語)について考えてみますと、嘗て、国語の先生が教壇で:
「これはペンです」
「これはリンゴです」
「あれは窓です」
とか、話されるのを聞いた覚えはないように思います。
抽象概念の無意識的理解・使用こそ、人の人たる所以と云い得るものと思われますが、例えば、存在していて実在しないものに、点とか線とかがあります:
点とは「位置があって面積のないもの」
線とは「点と点とを結ぶもの」
ですから点も線も、存在しながら実在しないものとなります。しかし、その存在していても実在しないものを用いて、機械、建築物等、諸々のものの設計がなされ、その恩恵に預かってもいます。
「愛」は抽象概念の際たるものでしょう。万葉集、源氏物語をはじめ、歌、小説、絵画、映画、演劇・・・様々な分野で、この抽象概念が臨まれ続けています。
言語の学習に当たっては、存在していても実在しない文について、常に注意を払う必要があるように思われます。
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