BEWA講師ブログ

次の開発製品:総括

ビジネス英語ブログ「次の開発製品:9」にて:
「英文技術的な面を離れ、何故:
  What should we develop next product? 
なる誤文がそもそも何故発生したのか真の理由を探りたいと思います」
と書きました。今日は、其れに付いてお話いたします。
  技術的な面ではなく What should we develop next product? なる誤文が発生した原因を特定することは極めて困難ではありますが、其の英文の発生に関与したであろう思考の順路を考えれば、先ずは:
  「次の製品は何を開発すべきなのでしょうか」辺りの和文が、意識的或いは無意識的に意識に昇ったことが考えられます。この「和文を構成する単語」を其のまま英語に置き換えて:
  1)次の製品: next product (productに係り求められる冠詞等に関する意識はない)
  2)何:     what
  3)開発する: develop
  4)べき:    should
  5)か:      ?
此処に元々日本語には存在しない主語 we を加え、what を文頭に置き疑問文の形式を採ると、其のまま:
   What should we develop next product?
     O  V  S  V     不要
なる、本ブログにて親しまれた誤文が表れます。この英文は、和文「次の製品は何を開発すべきなのでしょうか」とそっくりです。英文と云うよりは「形を変えた和文」と云ったほうが良さそうです。和文には元々存在しない主語なるもの、更には和文と英文の構造上の違いに幻惑され誤文に至った、変形した和文と考えたほうが宜しいようにも思われます。この英文(誤文)が出現した根本的原因は、「意識的或いは無意識的に意識に昇った和文」のようです。日本語には元々主語が存在せず、其のことが英文を考えるとき、大いなる障害となります。「次の製品は何を開発すべきなのでしょうか」の和文も、其処に「私は」或いは「私が」を主語として挿入すれば凡そ普通とは云い難い和文が現れます。「次の製品は何を開発すべきなのでしょうか」という和文自体、英文では不可欠な「主語と云う概念」に凡そ馴染み難い構造でしょう。

今回ブログで取り上げた:
   What should we develop next product?
    O  V  S  V     不要
なる誤文は、母語干渉が本来的に、如何に避け難く且つ如何に御し難いものであるかを如実に語っているように思われます。程度の差こそあれ、母語干渉は元々在るもの起こるものと考え、其れを充分に意識して学習に当たることが肝要と考えます。母語脳、即ち日本語(日本語文法により構成された言語)と日本語に取り込まれた表象により構成された脳により構築された論理を、英文(英文法により構成された言語)による論理に正しく構築し直さねばなりません。七万語にも昇る語彙(日本語)を有し限界的に発達した母語脳を積極的に活用し、伝達すべき意味内容を論理的に整え、其れを正しく英語で現すことが肝要でしょう。其の速度は、学習の進捗に伴い加速度的に速まることでしょう。
  国際英文取引契約等の法律文書を作成するような場合は特に、このような理解なくして正しい英文を起草することは本来的に不可能でしょう。英文契約文書とその和文には、当然にして法的整合性が厳しく求められます。また、英文契約文書起草に当たっては、法律要件等母語及び母語に取り込まれた表象からなる概念を、英文により具現化せねばなりません。
  校正例1~2に於ける正しい疑問文の場合は、其の土台である肯定文での動詞の目的語 - 開発すべき製品 ( Product A ) に what が置き換わり、文頭に位置して疑問文が現れました。
  チョムスキー流に言えば深層構造(の深層構造)、フロイト流に考えればエゴ(自我)を支えるイド(潜在意識)、現象学的に考えれば客我を反省する主我でしょうか。ごく単純に「数学的論証の前提となる数式」と考えるのが一番分かり易いように思われます。前提となる数式が元々破綻していては、其れを土台とする論理、論証は構築され得ないというところでしょうか。

  疑問文で混乱し始めたときには、肯定文に戻り其処から英文構造そのものを考え直すことが肝要でしょう。メールの文章は、そのまま取引相手先の PC に残ります。訳も分からず、英文を作成しメールすることは、非常に危険な行為と云わざるを得ません。ビジネス英語とは商売用の言語。その意味で、日本のお客様にお送りする和文のビジネスメールとなんら変わるところは御座いません。英文メールの誤謬により、取引上の齟齬・錯誤が生じ取引先に損害を与えた場合、原因 (錯誤の原因となったメール) は追究するまでもなく、相手方の PC に保存されております。会社人生は、その瞬間に終わるかもしれません。 BEWAでキッチリした英文、本物のビジネス英語を学びましょう。講座見学 (一回無償) に御出で下さい。

2012/03/02 ビジネス英語   林 行雄

この記事へのコメント

コメントを送る

  ※ メールは公開されません
Loading...
 画像の文字を入力してください
資料のご請求、講義の無料見学のお申し込み等々お気軽にお問い合わせください。
無料見学申し込み
資料請求