BEWA講師ブログ

なぜ人は満員電車でアイポットにしがみつくのでしょうか?

  電車で、あちらこちらに押されながら、周りに迷惑をかけ、大きな音をイヤホンから漏らし音楽を聴いている人って結構いますよね。これって「なんでだろう」って思ったことありませんか? 
音楽ってなんなのでしょう? 直立猿人がこの世に現れて以来、五百万年から六百万年経つそうです。ところで音楽って、いつ生まれたのでしょう? 今から約10万年程前に人類は言語を使い始めたそうで(古い頭蓋骨を調べると分かるそうです)、それから相当経ち、今から約五千年前やっと文字が現れ始めたそうです。文字はもっぱら宗教の経典を伝える為に創られ、経典の記述のバラツキをなくす為に文法が生まれたようです。
  ところで音楽ってなんなのでしょう? 絵画って何なのでしょう? 音楽・絵画・文字による創作物のうちの或るものが芸術と呼ばれておりますが、音楽、絵画、文学に共通するものは何なのでしょう? それは、感覚的刺激を人の脳に伝え、人を感動させるということなのではないでしょうか。音楽、絵画、文学の形をとりながら表されるものを、人は耳・目・言葉を通して認識し、感動したりもします。これら三つは、その昔は音楽的なもの、絵画的なもの、文学的(文字的)なものであった筈です。文字がこの世に現われたのは今からたった五千年程前のことですから、「文学」は音楽的なもの、絵画的なものに比べれば、相当に新しいものと言えそうです。音楽、絵画からの感動は、耳・目に直接入りますが、文字の場合は言語理解なしには把握が困難でしょう。
  言語(口語)が生まれてから約10万年とすれば、其れより前の490万~590万年ものあいだ、人には言語が無かったことになります。この言語の無い果てしなく長いあいだ、人間は、獰猛な野獣に囲まれた環境の中で生きる為、発展途上の言語に代わるコミュニケーション手段を用い、その共同生活を営み、狩猟等を行っていたのではないのでしょうか? それが音楽的なもの・絵画的なものなのかもしれません。人が都会の喧騒から逃れようとするとき・孤独の中に安らぎを求めるとき、音楽に浸り絵画に沈む。
  満員電車のアイポット・休日の美術館巡りは、先祖返りの儀式、人類の起源への回帰なのかもしれません。

2011/02/07 言語   林 行雄

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