これまで:
1) Enclosed please find our catalog. の意味は:
「同封されておりますので、弊社カタログをご覧ください」であり、
2) Please find enclosed our catalog. の意味は:
「同封されている弊社カタログをご覧ください」 であり、
3) Enclosed is our catalog. の意味は:
「同封物は弊社カタログです」 であること等についてお話しました。
これらの文章は、レター時代には当然の如くその文頭付近に置かれ、タイピストさん達が (私が大学を出た当時は英文タイピストなる職業が御座いました)、レミントン、アンダーウッド等のタイプライターを用いパタパタパた打っておりました。大学を出た当初、私は或る外商で貿易実務を業としていたのですが、私も様々な書類をパタパタ打っておりました。書類が複数枚必要なときには、紙と紙の間にカーボン紙を挟んで打つのですが、これが大変でした。多くの紙に印字されるよう、思い切りキーを叩く必要がありましたし、更には、打ち間違え等すると、全ての紙を引っ張り出して、砂消し (ゴリゴリした特別の消しゴム) を用い間違えた文字を消し(綺麗には消えません)、再びカーボン紙を挟んでタイプライターに戻すと云う、とっても手間のかかる代物でした。
当時、私が勤務していた外商にはテレックス室なるものがあって、数名の女性が毎日せっせ、せっせとテレックスに読み込ませるテープを打刻しておりました。怖~いお姉さん達でした。また、当時は場合により、ケーブル(電信)を用い貿易通信を行うこともありました。メール課(郵便課)なる部署が設置されていたことでもお分り頂けるように、当時、航空郵便は、貿易通信の中で大きな地位を占めておりました。
そういう、或る意味のどかで、重た~い時代にエースの如く君臨していた 1)~3) の文体は、航空郵便・テレックス・ケーブルの時代から、ファックスの時代に移りゆく中で徐々に使用されなくなりました。 急激に進む通信革命のなかで、これら文体の持つ仰々しさ、妙な重たさが好まれなくなった、或いは、其処に違和感が感じられるようになったと云うべきかもしれません。
さて、これら文体に代わり、次に現れた文体はどのようなものだったのでしょうか。考えてみましょう。
メールの文章は、そのまま取引相手先の PC に残ります。訳も分からず、英文を作成しメールすることは、非常に危険な行為と云わざるを得ません。ビジネス英語とは商売用の言語。その意味で、日本のお客様にお送りする和文のビジネスメールとなんら変わるところは御座いません。英文メールの誤謬により、取引上の齟齬・錯誤が生じ取引先に損害を与えた場合、原因 (錯誤の原因となったメール) は追究するまでもなく、相手方の PC に保存されております。社名を以て通信しているのですから、表見代理など唱えるまでも無いでしょう。会社人生は瞬時にして終わるかもしれません。 BEWAでキッチリした英文、本物のビジネス英語を学びましょう。講座見学 (一回無償) に御出で下さい。