百日紅(サルスベリ)。中国から書き言葉が輸入される前、この国には文字と呼べるものがなかったようです。和人はもともと百日紅をサルスベリと呼んでいました。
当時の文化人諸氏が、いかに中国文化に圧倒されていたとはいえ、和語 [サルスベリ] を漢字を用いて表すならば、漢語の 「百日紅」 ではなく、当然のこととして 「猿滑」 あるいは 「猿滑り」 とすべきだったように思います。
サルスベリ、英語では crape myrtle とのことですが、つるつるの幹を指さしながら:
This is a "Monkey-Slipping Tree".
とでも云えば、ニコニコ笑いながら、充分ご理解頂けるように思います。サルスベリの幹を猿が登るとは到底考えられません。
この木を、猿滑り[サルスベリ]と呼んだ和人の洒落がとても素敵です。