「ホームステイ」 は、既に日本語の一部となっているように思われます。でも homestay って何か“へん”と思っている方はかなり存在するのではないでしょうか。
今日は homestay なる表現が何故、妙なのか考えてみたいと思います。
ここで:
During John's stay, his love for Betty grew.
を、考えてみますと、その意味は「John の滞在中、彼の Betty に対する愛は育まれた」ですから:
During Home's stay, his love for Betty grew.
の意味は 「Home さんの滞在中、彼の Betty に対する愛は育まれた」 となります。
ところで、Home's の 's の音は、極、わずかなものですから、「Home's stay」と「Homestay」の発音上の差は、とても小さなものです。ですので、初めてhomestay なるものを聞く人は、Home's stayと採ることとなるでしょう。ですので:
I made a homestay in New York. を聞く英語母語話者が、ホームステイなる和製英語を知らなければ、!!???!!??? となることでしょう。因みに「私はNew Yorkでホームステイテイした」は英語で:
I stayed with a host family in New York. と表すことができます。
どうやら、ホームステイなる和製英語?は、既に地域的に市民権を得ていて、日本人を相手に海外でホームステイを斡旋している業者さんも、homestay なる言葉をむしろ積極的に用いているようです。
昔、日本語で頻繁に「仕事をスムースに終わらせた」 とsmoothを [スムース] と現し用いていました。しかし、或る頃から、 [スムース] の発音の [ス] は間違いで [ズ] が正しい。smoothの発音は [スムース] ではなく [スムーズ] だと巷間で言われるようになりました。ところが [スムース] ではなく [スムーズ] との認識が巷に広がるにつれて、日本語で、smooth なる単語の使われる頻度が低くなっていったように思われます。
日本語で [スムース] と発音していた頃は頻繁に用いられていたのに、[スムーズ] と発音されるようになってからは、何故、そう使われなくなったのか。これは 「スムースに終わらせた」 と 「スムーズに終わらせた」 を大きな声で発音してみると分かるように思います。「スムースに」 は発音し易いのに、 [スムーズに] は発音し難いのです。 日本語では [スムーズに] の [zu] から [ni] へ移る際の、舌の位置の移動がやっかい、或いは、心地よくないようです。
ところで、「ホームさんの滞在:Home's stay」 の 「ホームステイ」 が、何故、日本人に違和感を与えぬままに日本語化してしまったのか、その理由を考えますと、日本語の 「家庭に滞在」 から、「に」 を外し其処にお馴染みの英単語を割り振ると、 home と stay → homestay となりますので、それで違和感を生じなかったことが考えられます。また、そうであるからこそ、そのように home と stay なる単語を短絡的に割り振った、とも言えそうです。homestay は、「卵 + 焼く」→「卵を焼く」→「卵焼き」の構成をそのまま英単語に置き換えたものと云えそうです。homestay とは、このような母語干渉の産物でしょう。
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