本シリーズ、Nos. 1 - 17とお付き合い頂き誠に有難うございました。今回にて、本シリーズの総括と致したいと思います。
まず、
1)What hotel are you staying at?
の at に就いて考えるとき、
「貴方は ABC Hotel に滞在しています」
の英訳例として:
2)You are staying at the ABC Hotel.
なる英文を考えます。
さて此処で、何処のホテルに泊まっているのかを、お聴きするのであれば、
「貴方は何処のホテルにお泊りですか」となり、
2)You are staying at the ABC Hotel.
なる英文の、the ABC Hotel の部分についてお聞きしていますので、
2)You are staying at the ABC Hotel.
↓
You are staying at ? hotel.
↓
You are staying at what hotel.
↓
At what hotel are you staying.
↓
1)What hotel are you staying at?
と、なります。次に、
3)This hotel is too expensive to stay at.
「このホテルは滞在するには高すぎる」
の文末の at は、
This hotel is too expensive at which I am to stay.
↓
This hotel is too expensive which I am to stay at.
↓
This hotel is too expensive I am to stay at.
↓
This hotel is too expensive for me to stay at.
↓
3)This hotel is too expensive to stay at.
と、考えられます。
次に、「これは働くのに良い会社です」の英訳文として、
This is a good company to work.
は誤りで、正しくは:
4)This is a good company to work at (for).
であり、その理由は:
This is a good company at which I am to work.
↓
This is a good company which I am to work at.
↓
This is a good company for me to work at.
↓
4)This is a good company to work at.
と、考えられます。
次に、「彼には話をする友人がいない」の英訳文として、
He has no friend to talk.
は、誤りで、正しくは:
5)He has no friend to talk to (with).
であり、その理由は:
He has no friend to whom he is to talk.
↓
He has no friend whom he is to talk to.
↓
5)He has no friend to talk to.
と、考えられます。
次に、「これは住むのに良い家です」の英訳文として、
This is a good house to live.
は、誤りで、正しい英訳例は:
6)This is a good house to live in.
となり、その理由は:
This is a good house in which you are to live.
↓
This is a good house which you are to live in.
↓
This is a good house for you to live in.
↓
6)This is a good house to live in.
と、考えられ、
次に「此処は彼が生まれた場所です」は、基本的には、
7)This is the place where he was born.
と、英訳でき、是は、
8)This is the place in which he was born.
↓
9)This is the place he was born in.
と、表すこともでき、
また、此処で 7)の where は関係副詞、8)のwhich は関係代名詞(目的格)ですが、
英文 7)、8)、9)中の3つの従属節:
where he was born
in which he was born
he was born in
は、すべて形容詞節です。其の理由は:
7)This is the place where he was born.
中の、where he was born も、
8)This is the place in which he was born.
中の、in which he was born も、
9)This is the place he was born in.
中の he was born in 等、全て節が主文中の the house (名詞)を修飾している為です。
英文中の:
where he was born
in which he was born
he was born in
は、全て形容詞節で在り、
7)This is the place where he was born.
中の、where he was born も the place なる名詞句を修飾する形容詞節でありながら、何故、当該節中のwhere が 関係副詞と呼ばれるのかと云えば、それは where を in which と置き換え、in which なる句が was born を修飾するものと考えれば、in which が副詞的に機能していると云い得る為と考えられます。しかし、where he was born は英文中に於いて、厭くまで形容詞節として機能していることを理解しておくことが大切です。
このように、英文中の関係代名詞、関係副詞、受動態、そして前置詞等、正しく理解することが、当に、ビジネス英語の鍵と云えます。このような理解なしに徒に英文を真似て取引相手に送信することは、利益の創出を目的とするビジネス言語の運用に当たって、極めて危険な行為と云わざるを得ません。
ところで、
「英語を英語で考える」 とか 「英語を英語で理解する」 とか、たまに聞きますが、これほど非論理的な言葉使いも凡そ考えられません。
論理学的に云えば: SをSで理解する → 同語反復、命題が成立せず。
法律学的に云えば: 主体と客体が同じ → 債務関係を論じ得ず。
現象学的に云えば: 己と意識の対象を認め得ず → 認識不能。
街の豆腐屋さん的に言えば:豆腐を豆腐で考える?豆腐を豆腐で理解する?→+∞?
更に、『例示』 と 『説明』 とは全く異なります。例示とは或る事象に係る用例の単なる表示(事象の一端:或る個人的体験の表示)、説明とはその理解の開示(経験と事象の把握を踏まえた集約的見地の開示)です。千通りの例示とは千通りの個別的体験の表示でしょう。千人の日本人が 「が」 と 「は」 或いは 「を」 と 「に」 等に就いて、千通りの 例示 を行い、千通りの 感想 を述べたとしても、さして不思議なことでもないでしょう。
BEWA は、「例示」 を 「説明」 に代えるようなことは一切致しません。BEWAで学べば、みえないものがみえるようになります。ツマラナカッタ英語学習が楽しくなります。そして職場で用いるビジネス英語が無理なく理解でき、使えるようになります。講座見学に御出で下さい。
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