9月17日のブログで、下記板書の1)は誤文、その理由はこの文章の to be late for 5 minutes が未来を表すため、意図する文意にそぐわぬ旨述べ、4)〇 I’m sorry for being late for 5 minutes. は正解であり、〇 は、正解の意味であることを述べました。
今日は、その他の事項につきお話しようと思います。
1)X I’m sorry to be late for 5 minutes.
2) I’m sorry to have been late for 5 minutes.
3)〇 I’m sorry (that) I’m late (for 5 minutes).
4)〇 I’m sorry for being late (for 5 minutes).
の1)~4)其々の文章の左に記載された:
1)X
2)
3)〇
4)〇
に就いては、3)〇、4)〇でお分かりのように:
3)I’m sorry (that) I’m late (for 5 minutes).
も正解です。これは多分、I am sorry (of it that) I am late for 5 minutes. の省略によるものでしょう。
5)He stopped smoking.
彼は禁煙した(それまで続いた喫煙習慣を絶った)。
6)He stopped to smoke.
彼は喫煙の為に立ち止まった(これから(未来)喫煙する為に立ち止まった)。
たしか、学校で:
5)He stopped smoking. は「禁煙した」ですから「喫煙を止めた」。喫煙ですから名詞、即ち、smoking は動名詞です、と教わりましたが、その時、この説明は循環論法による詭弁であろうと思いました。また:
6)He stopped to smoke. については「彼は喫煙の為に立ち止まった」、「喫煙の為に」ですから、不定詞の副詞的用法です・・・と。この説明も和訳に基づく詭弁と云うべきでしょう。そう云うことではなくて、特に、~ing 形と、to ~ 形が対比的に用いられる場合は、~ing 形が過去を表し、to~ 形が未来を表すと考えて宜しいように思います。即ち:
5)He stopped smoking.
では、~ing 形が過去を表すので、「それまで続いた喫煙習慣を絶った」のであって、決して smoking が「喫煙」を表すから、stopped が「絶った」の意味となる訳では御座いません。又、smoking が「喫煙」を意味するから動名詞なのではなくて、He stopped smoking. がSVO文型であり、目的語は名詞以外ないので somoking は名詞、動詞より変じた名詞、動名詞となるのです。更に:
6)He stopped to smoke.
では、to~ 形が未来を表すので、「これから喫煙する為に立ち止まった」となるのであって、to smoke が不定詞の副詞的用法であるが故に、stopped が「立ち止まった」なる意味となるわけでは御座いません。又、副詞的用法であるかどうかは本件とは関係ございません。これらの説明はアンチョコ(解答と説明)を見た後で付け加えた、或いは、アンチョコに記載されていた循環論法的詭弁と言わざるを得ません。 5)、6)と同様な文章に:
7)I remember seeing him in Paris.
彼にパリで会ったことを思い出す。
8)Please remember to see him in Paris.
パリで彼に会うことをお忘れなく。
があります。ここで、8)は(S)VO文型、to see は目的語、即ち、名詞用法です。
文法が在って文章が在るわけでは御座いません。文章が在って、其処に共通する規則、論理が在ります。文法の例外などと、声高に唱える必要も理由も元々無いのであって、其処(己)に、説明できない文章構造が存在するのみでしょう。これも、日本語で考えれば至極、当然のことでしょう。皆、我知らず、それなりに正しい文法で日本語を話し、書いています。母語とは、そういうものなのです。ではあっても、「~は」 と 「~が」 の違いを規則として説明できる人は極々まれでしょう。「食べられる」 に対する 「食べれる」 はどうでしょうか。
母語の定義とは 「文法を考えずに正しく用いることのできる言語」 です。ですから "♪♪ ミナサアン、チュウガッコウコウコウ、エイブンポウタクサンナラッタ、ワタクシタチシラナイブンポウタクサンシッテル、エイゴハナセマセエン。ワタシエイブンポウシラナイデモエイゴハナシマス・・・♪♪” の後段は、当にその通りなのです。
日本人(米人)は文法を意識せずに、日本語(英語)を用いることができます。しかし、日本人(米人)が英語(日本語)を正しく用いるには、英文法(日本語文法)の知識が不可欠となります。指導をする者には、当然にして、相応の知識・理解が求められます。ここで、母語の定義: 「文法を考えずに正しく用いることのできる言語」 より、外国語を定義すれば、外国語とは 「文法を考えることなしには正しく用いることのできない言語」 となります。ですから、日本語を正しく使える外国人は、滅多に居ないのでしょう。それも、まともな企業の求める、まともなレベルで日本語を正しく用いることのできる外国人となれば、更に々に希少なものとなることでしょう。
学生時代、知り合いに、東京外大で日本語を学んでいるフィリッピン人がいました。あるとき、私は浅はかにも 「日本語教えてあげるよ」 と云ってしまいました。即座に 「日本語文法知らないでしょ。日本語を教えるのは無理ですよ」 と素気無く云われてしまいました。当時の私は正に彼の云う通りでした。懐かしい思い出です。帰国後、彼はフィリッピンで成功したのでしょうか。
最後に、特に ~ing が to~と対比的に用いられる場合、何故、~ing が過去の事象を表すのか、私なりの考えを述べれば、~ing は既に始まっている事象を表すからでしょう。始まったものは終わります。結婚が恋の到達点とすれば、他のすべての恋は始まりそして過去のものとなります。ところで:
1)X
2)
3)〇
4)〇
の「2)記号なし」に就いてのご説明は、またの機会と致します。結構、面倒なご説明となりそうです。
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